【仏教用語/人物集 索引】

『伝光録』第十九祖。鳩摩羅多尊者。

投稿日:2004年1月12日 更新日:

【本則】

第十九祖。鳩摩羅多尊者。因伽耶舍多尊者示曰。昔世尊記曰。吾滅後一千年有大士。出現於月支国紹隆玄化。今汝値吾。応斯嘉運。師聞発宿命智。

【機縁】

師者月支国之人也。姓婆羅門。昔為自在天人欲界第六天見菩薩瓔珞。忽起愛心。墮生忉利欲界第二天聞憍尸迦説般若波羅蜜多。以法勝。故昇于梵天色界以根利故善説法要。諸天尊為導師。以継祖位時至遂降月支。十八祖化度到月支国。見一婆羅門舍有異氣。尊者将入彼舍。師問曰。師是何徒。尊者曰。是仏弟子。師聞仏号。心神竦然即時閉戸。尊者良久扣其門。師曰。此舍無人。尊者曰。答無者誰。師聞語知是異人。遽開関延接。尊者曰。昔世尊記曰乃至発宿命智。

【拈提】

此因縁須く子細にすべし。名字道を明らめ。若しは生死去来真実の人体と明むとも。自己本性の虚明霊廓なることを明らめずんば。諸仏の所証をしらず。故に菩薩の放光を見ておどろき。諸仏の相好を見ても愛すべし。ゆへいかんとなれば。貪瞋癡等の三毒未だまぬかれざる故に。今師の往因をみるに。愛によりて退墮して忉利天に下る。然も宿因によりて帝釈の説法にあふて梵天に昇り。月支国に降生す。積功累徳空しからず。終に十八祖にあふて宿命智を発す。いはゆる宿命智といふは。尋常過去をしり未来をしることと思へり。是れ何にかせん。ただ本来不変の自性。聖凡なく迷なきことを看得すれば。百千の法門。無量の妙義。総に心源にあり。故に衆生顛倒も諸仏成道も。自己方寸の中にあり。全く根塵の法にあらず。心境の相にあらず。ここにいたりてなにをか古とし。なにをか今とせん。何れか是諸仏。何れか是衆生。一法の眼に遮るなく。一塵の手にふるるなし。但虚明一片にして。廓落無際なるのみなり。即久遠実成の如来。不昧本来の衆生也。如是悟りしる時も増さず。如是しらざる時も減ぜず。久遠劫来恁麼也と覚触するを。宿命智を発すといふ。もし此の田地にいたらずんば。徒に迷悟の性情にみだされ。去来の相に移され。遂に自己ある事をしらず。本心あやまらざることを明らめず。故に諸仏をしてわづらはしく出世せしめ。祖師をしてはるかに西来せしむ。出世の本懷西来の本意。只此の事の為也。更に他事にあらず。須く低細用心して。霊霊として不昧。明明として不蔵なる事をしるべし。本来一段の光明ある事をしるを宿命智といふ也。今日又卑語あり。いささか些子の理を通ぜんとおもふ。大衆要聞麼。

【頒古】

推倒宿生隔歴身。而今相見旧時漢。

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