禅苑清規とは、禅院の修行道場における規律を定めた現存する最古の規則で、雲門宗の慈覚大師・長盧宗賾(ちょうろそうさく)によって記されました。元符年間(1098-1100年)に編集を始め、崇寧二年(1103年)に完成したことから「崇寧清規」とも呼ばれます。また、「ぜんねんしんぎ」とも読まれます。
唐の百丈懐海が初めて禅院のを清規制定したとさる「百丈清規」は年月と共に散逸し、それを遺憾とした長盧宗賾は、百丈懐海の古清規に則りながらも、広く諸方の叢林の行法を調べ、時代の推移に則して、受戒、上堂、監院、知客、化主等七十七項に分けて記されています。全10巻。禅宗。
①第一巻 受戒 護戒 弁道具 装包 旦過 掛搭 赴粥飯 赴茶湯 請因縁 入室
②第二巻 上堂 念誦 小参 結夏 解夏 冬年人事 巡寮 迎接 請知事
③第三巻 監院 維那 典座 直歳 下知事 請頭首 首座 書状 蔵主
④第四巻 知客 庫頭 浴主 街坊水頭炭頭華厳頭 磨頭園頭庄主廨院主 延寿堂主浄頭 殿主鐘頭 聖僧侍者爐頭 直堂 寮主寮首座 堂頭侍者
⑤第五巻 化主 下頭首 堂頭煎点 僧堂内煎点 知事頭首煎点 入寮蝋次煎点 衆中特為煎点 衆中特為尊長煎点
⑥第六巻 法眷及入室弟子特為堂頭煎点 通衆煎点焼香法 置食特為 謝茶 看蔵経 中筵斎 出入 警衆 馳書 発書 受書 将息参堂
⑦第七巻 大小便利 亡僧 請立僧 請尊宿 尊宿受疏 尊宿入院 尊宿住持 尊宿遷化 退院
⑧第八巻 亀鏡文 坐禅儀 自警文 一百二十問 誡沙弥 沙弥受戒文
⑨第九巻 訓童行
⑩第十巻 勧檀信 斎僧儀 百丈規縄頌
・「若し道心なき者は、徒らに辛苦を労して、畢竟に益無し。『禅苑清規』に云く、「すべからく道心を運らして時に随って改変し、大衆をして受用安楽ならしむべし」と。」(『典座教訓』1、職を勤める姿が仏の姿)
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