六知事とは、禅院の住持を補佐する機関の都寺、監寺、副寺、維那、典座、直歳を任された6名の知事のことです。ここでいう知事的役割は禅院に限らず、ある程度の組織を運営していく上で必要な機能で、中国での禅院の繁栄以前のインドにもその役割はありました。六知事の構成内容や、以下の読み方は時代や宗派、寺院によって若干の違いがあるものとご理解ください。六つの機関の知事。6知事。
①都寺(つうす)は、事務の全てを務め、寺全体の総監督を担います。
②監寺(かんす)/監院(かんにん)は、都寺の次位にて寺の一切の事務を担います。
③副寺(ふうす)は、都寺・監寺を補佐し、寺の金銭管理などの会計を担います。
④維那(いのう/いな)は、修行僧の監督、修行道場内の庶務を担います。
⑥直歳(しっすい)は、寺の修理、器物の整備などの労務を担います。
・「仏家に本より六知事有り。共に仏子たり。同じく仏事を作す。中に就いて典座の一職は、是れ衆僧の弁食を掌どる。」(『典座教訓』1、職を勤める姿が仏の姿)
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