日本曹洞宗の開祖は道元禅師(1200~1253年)です。道元禅師自身は曹洞宗という名称を認めずに、お釈迦様より伝わった「正伝の仏法」を弟子に伝えているという立場でした。よって、後の弟子たちによって曹洞宗の教団組織が整えられたといっても間違いではありません。
その道元禅師を第一伝として、以降に中国から曹洞宗が第二伝と第三伝と2人の渡来僧によって伝えられたことを踏まえて「曹洞宗系の3派」や「曹洞系の3派」と呼ばれる場合があります。
第二伝は曹洞宗宏智派の禅僧東明慧日(1272~1340年)による東明派です。第九代執権北条貞時の招きで1309年に元(中国)から来日しました。鎌倉の禅興寺、万寿寺、寿福寺、建長寺に歴住し、1310年には円覚寺第十世になっています。これらの寺は全て臨済宗であり、禅宗が入ってきた当時は、臨済宗と曹洞宗の宗派の区別はなかったのかもしれません。
第三伝は曹洞宗宏智派の禅僧東陵永與(1284~1365年)による東陵派です。1351年に元から来日し、西芳寺、天竜寺、南禅寺に歴住し、雲厳禅寺(熊本市松尾町)の開山でもあります。
歴史的に見れば、いくつかの宗派が日本に入ってきて、合わさったり、別れたり、嗣ぐものがいなくなったりという過程を経て現代に伝わっています。なお、法系や修行した道場、住職になる寺院により、永平寺派の有道会と、總持寺派の總和会に所属が二分され、宗務総長も両派が1期4年ごとに交代で担当していますが、曹洞宗という一宗一派の中での役割を担っています。
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