世間(せけん)
「世間体が悪い」「世間の物笑いになる」「世間に顔向けできない」「渡る世間に鬼は無し」などのように一般的に使われている「世間」という言葉は、地域や国、社会というような範囲を指して、それを肯定する意味合いで使われる場合が多いようです。世間は、諸行無常という言葉通り、常に変化しているものであり、迷いの世界、仮の世界とも呼ばれます。ここからここまでが世間だという境界もありませんから、人間がつくった境界のある地域や国、社会も、先の意味では世間とは言えません。世間は世界全体のことを指します。そして、常に変化しているものですから、世間を絶対的に肯定することは仏教の本来の意味とは異なります。「世間」という言葉...