【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』99、大恵禅師ある時

投稿日:1235年6月11日 更新日:

示して云く、大恵禅師、ある時尻に腫物を出す。
医師是れを見て、「大事の物なり。」と云う。
恵云く、「大事の物ならば死すべしや。」
医云く、「ほとんどあやうかるべし。」
恵云く、「もし死ぬべくは、いよいよ坐禅すべし。」と云って、なお強盛に坐したりしかば、かの腫物うみつぶれて、別の事なかりき。

古人の心是くのごとし。病を受けてはいよいよ坐禅せしなり。今の人の病なからん、坐禅ゆるくすべからず。

病は心に随って転ずるかと覚ゆ。世間にしやくりする人、虚言をもし、わびつべき事をも云いつけつれば、それをわびしき事に思い、心に入れて、陳ぜんとするほどに、忘れてその病止るなり。我れも当時入宋の時、船中にして痢病をせしに、悪風出来って船中さわぎし時、病忘れて止まりぬ。
是れを以って思うに、学道勤学して他事を忘れば、病もおこるまじきかと覚ゆるなり。

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『正法眼蔵随聞記』

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