香典とは、葬儀の際に亡くなった方の霊前などに供える金品、もしくは法事の際に仏前に供える金品をいいます。「香」の字が入っているのは、香・線香の代わりに供えるという意味と香・線香を貸していただくという意味があります。本来、抹香や線香は供えるために自分で用意する物(自香)でした。会場の「香」を使う場合は借香といい、香を借りますという意味があります。「典」「奠」とは霊前に供える金品の意味で使われます。
香典の言葉の意味は以上の通りですが、実際には亡くなった方のご遺族が葬儀や法事を行うための費用を、故人に縁のある方が援助する為に出し合う金品との理解で間違いないと考えられます。ただし、地域や寺院の方針でこれらの呼び名を含めて違いがあるものだとご理解ください。香典は、多くの場合、香典袋(不祝儀袋)に入れて担当の方へ渡します。
また、葬儀のあり方が変わり、新型コロナの状況も追い風となり、葬儀は小規模化される傾向です。いつもは縁ある方に出していた香典を出さなくなることで、気持ちの置き場所に困り、無意識の内に不安になる人もいるようです。
そうなってしまう前に、喪主や施主でなくても故人に対する供養の気持ちを形にできる供養之証というものがあり、香典を出す代わりであったり、自分の気持ちを整理する為に依頼する人が増えています。
香典の金額、相場が気になるという方は多いと思います。ここでは一般的によく聞く範囲でまとめますが、地域やその親族での取り決めなど、様々な要因で判断されるので、参考程度に紹介させていただきます。ただ、言えるのは自身の年齢が上がるにつれ金額が高くなる傾向のようです。
故人が親族の場合、香典の金額は血縁が近いほど高くなる傾向があります。
【故人との関係別・金額相場(葬儀)】
父親・母親 5万円〜10万円、10万円以上
兄弟・姉妹 3万円〜5万円
子供 5万円〜10万円
孫 2万円〜10万円
叔父・叔母 1万円〜3万円
義父・義母 3万円〜10万円、10万円以上
祖父・祖母 1万円〜5万円
会社やビジネスの関係者の場合。
【故人との関係別・金額相場(葬儀)】
社長 5千円〜1万円
上司 5千円〜1万円
同僚 5千円〜1万円
部下 5千円〜1万円
故人が友人や同級生の場合(葬儀)。
基本的には5千円〜1万円が相場です。
【法要別の金額相場】
一人で法要に参加した場合。
初七日 5千円〜2万円
四十九日 1万円〜2万円
百箇日 1万円〜2万円
初盆・新盆 1万円〜2万円
一周忌 1万円〜2万円
三回忌 5千円〜1万円
七回忌 3千円〜1万円
十三回忌 3千円〜1万円
十七回忌 3千円〜1万円
二十三回忌 3千円〜1万円
三十三回忌 3千円〜1万円
五十回忌 3千円〜1万円
こちらで紹介させていただいているのは一例であり、地域や関係性によってはさらに重要な判断基準がある可能性があります。
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