家の入り口のことを玄関と呼びますが、菩提達磨による中国への禅の伝来の時、初め「禅」という言葉が無く、中国の道教の言葉だった「玄」という言葉に訳されました。そこから、自覚としての「深い悟り(=玄)に入るための関門」という意味の仏教語として使われました。
それが日本の中世、禅宗の発展に伴って悟りを開く道場としての禅宗寺院の入口を指すようになり、次いで、武家の住宅に取り入れられて意味が変化したものです。もともと中世の人々は、貴族にしても庶民にしても屋敷や家の縁側のようなところから出入りしていたので、明治時代以降になって、現代のように住居などの出入口を指す使い方が一般的になりました。
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