馬鳴はアシュヴァゴーシャの漢訳名です。インドの仏教僧。富那夜奢に就いて嗣法。弟子には迦毘摩羅がいる。
バラモンの家系に生まれ、学僧として活躍し議論を好んだ。当初は仏教を非難していましたが、富那夜奢に論破され、舌を切って謝罪しようとしましたが、諭されて仏教に帰依するようになりました。
知恵・弁舌の才にすぐれ、釈迦の生涯を描いた叙事詩『ブッダチャリタ(Buddhacarita/仏所行讚)』や、スンダラ・ナンダ(孫陀羅難陀/お釈迦様の異母兄弟)の回心を描いた詩『端正なる難陀』(サウンダラナンダ)、舎利弗と目連の帰依を描いた9幕の戯曲『シャーリプトラ・プラカラナ』、『大荘厳論経』などを残しています。その他、『金剛針論』、『犍稚梵讃』なども著作と伝えられますが、その真偽については議論が続いています。
中インドのパータリプトラ(華氏城)において、釈迦の弟子であるラッタパーラ(頼吒惒羅/らいたはら)をモデルとして戯曲を作り演じたところ、多くの市民がそれを聞いて無常を悟り、500人もの王子や人々が出家したため、王はついにこの戯曲を演じることを禁止したといわれます。
後にクシャーン朝(大月氏国)のカニシカ王が中インドを征服し和平交渉を行われた結果、この王の求めに応じて北インドへ赴きました。カニシカ王の保護のもと、仏教を布教しました。
生誕 80年頃
命日 150年頃
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