経行とは、坐禅と坐禅の中休みに、坐禅に伴う足の痺れや眠気を取り除くため行います。原意は、一定の場所を徒歩で往復することで、最古の仏教テキスト「スッタニパータ」にも「そぞろ歩き」という表現で出てきます(下記参照)。
曹洞宗では、一息半歩(いっそくはんぽ)と言って、足の爪先からかかとまでの半分の長さを歩幅とし、手は叉手(さしゅ)し、姿勢を正しつつ前方を俯瞰し、一息ごとにゆっくりと歩きます。
臨済宗では、さっさと歩き、時には、走るくらいの速度で歩くため「走り経行」とも言われます。
坐禅と坐禅の中休みに行う経行からの拡大解釈により、経行のみに重きを置いた歩行禅も行われています。
梵語(サンスクリット語) cankramana
巴語(パーリ語) anucankamamana
英語 walking meditation
・「ヴァーセッタとバーラドヴァージャという二人の青年が久しく坐していたために生じた疲労を除くために膝を伸ばすためにそぞろ歩きをあちこちで行っていた。」(スッタニパータ【第3 大いなる章】9、ヴァーセッタ)
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