1092 カッパさんがたずねた、
「極めて恐ろしい激流が到来した時に一面の水浸しの内にある人々、老衰と死とに圧倒されている人々のために、洲(避難所、拠り所)を説いてください。あなたは、この苦しみがまたと起こらないような洲(避難所)をわたしに示して下さい。親しい方よ。」
1093 師(ブッダ)は答えた、「カッパよ。極めて恐ろしい激流が到来した時に一面の水浸しの内にある人々、老衰と死とに圧倒されている人々のたの洲(避難所)を、わたしは、そなたに説くであろう。
1094 いかなる所有もなく、執著して取ることがないこと、これが洲(避難所)にほかならない。それをニルヴァーナと呼ぶ。それは老衰と死との消滅である。
1095 このことをよく知って、よく気を付け、現世において全くわずらいを離れた人々は、悪魔に伏せられない。彼らは悪魔の従者とはならない。」
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なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。
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