仏教寺院において正式な入口のことを三門または山門といいます。空門(くうもん)、無相門(むそうもん)、無作門(むさもん)の三境地を通って境内に入るという意味で三解脱門(さんげだつもん)とも呼ばれます。他にも、貪・瞋・痴の三毒を解脱する境界の門という意味を持たせるもの、声聞・縁覚・菩薩の三乗が通る門という意味を持たせるものもあります。また、実際に三つの門がある場合と、一つの門の場合とがあります。
山門とも書かれるのは、山に建立された寺院が多くあったことによります。平地に境内があっても山号がついている寺院が多くあるのもこの理由です。三門か、山門か、どちらで呼ぶかは寺院によります。また、どちらもあるという場合もあります。二階造りのもの、入口の左右に金剛力士像を祀るもの、四天王像を祀るもの、楼上に十六羅漢像を祀るもの、楼上に鐘楼を設置するものなど、多種多様な形式があります。また、禅宗寺院では七堂伽藍のひとつに数えられています。
(三門 知恩院)
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