厭離穢土(おんりえど)

仏教を本気で学ぶ

 
厭離穢土とは、この世をけがれた世界として厭(いと)い離れることです。

源信の『往生要集』には、大文第一を厭離穢土、第二を欣求浄土(ごんぐじょうど)とし、この思想を浄土信仰の基本としています。その中では、穢土の内容を地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道と規定して、浄土での十楽を願い、穢土をいとい離れることをすすめています。

また、戦国時代、徳川家康の馬印に「厭離穢土欣求浄土」が使われていました。松平元康(後の徳川家康)は、桶狭間の戦いで今川義元討死の後、菩提寺である三河国大樹寺へと逃げ、その時13代住職の登誉が「厭離穢土欣求浄土」と説きました。以後、戦国の世を穢土とし、平和な世を浄土として「厭離穢土欣求浄土」を旗印と定めました。


(厭離穢土欣求浄土・徳川家康・姉川合戦図屏風(反転))

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