甘露とは、インド神話において神々の飲物で、蜜のように甘く、飲むと不老不死になるというアムリタのことです。ヴェーダでは、ソーマ(soma)酒のことをいいます。その味が蜜のように甘いと言われることから甘露といわれます。
須弥山には甘露の雨が降っており、それによって須弥山に住む天たちは空腹を免れるといわれています。また、漢訳仏典では中国伝承の天地陰陽の気が調和すると天から降る甘い液体である甘露と同一視し、「甘露」あるいは「醍醐」と訳すようになりました。
甘露は、最大の境地、悟り、涅槃(ニルヴァーナ)を示す言葉としても使われています。
梵語(サンスクリット語) amṛta アムリタ
巴語(パーリ語) amata アマタ
・「こだわりあることなく、悟り終わって、疑惑なく、不死の底に達した人、彼を我はバラモンと呼ぶ。」(ダンマパダ 411偈)
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