【仏教用語/人物集 索引】

龍樹(ナーガールジュナ)

投稿日:0250年1月1日 更新日:

南インド出身の仏教僧。バラモンの家系に生まれましたが出家して仏教僧となりました。梵語(サンスクリット語)で नागार्जुन、Nāgārjuna、ナーガールジュナといい、漢訳名では、音写で那伽閼刺樹那(なぎゃはらじゅな)、意訳で龍樹(りゅうじゅ)、龍勝(りゅうしょう)、龍猛(りゅうみょう)。著作とされるものに『中論』『十二問論』『大智度論』『十住毘婆沙論』等。竜樹。

特に『中論』において確立された空の思想は、以後、全ての大乗仏教思想に最大の影響を与え、その学派は後世、中観派(ちゅうがんは)と呼ばれるようになりました。

伝承的な部分が多く、龍樹が書いたという書物も多いですが、古来から現代までの研究者により指摘される矛盾点を納得する為に思うのは、全てが同一人物のものではなく、仏教総合大学のような中での様々な主張が龍樹の名を冠して残されたのではないかと個人的には感じています。

もっとも、日本のほとんどの宗派の系譜をたどれば龍樹を経由して釈迦に辿り着きます。八宗の祖師(特定の宗派を指すのではなく、全ての大乗仏教の宗旨・宗派のこと)とも呼ばれ、宗派によってその龍樹の伝承が多少違うのですが、主なものを確認しておこうと思います。

禅宗の系譜では、迦毘摩羅に就いて嗣法。音写の那伽閼刺樹那で記述されることがあります。弟子には迦那提婆がいます。

浄土真宗では、親鸞聖人が尊敬していたインド、中国、日本の七高僧の第一祖とされ龍樹菩薩、龍樹大士と記述されます。

真言宗の系譜では、真言八祖のうち付法の三祖とされ、かつ、伝持の一祖とされています。漢訳でいうところの龍猛と記述されます。

天台宗の系譜では、龍樹の弟子に慧文、その弟子に慧思が出て、その弟子が天台宗の体系を整えた智顗(天台大師)です。

生誕 150年頃

命日 250年頃

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