愛(あい)
愛とは、慈しむ心や慈しんで行うことです。愛想、愛嬌、愛語、愛着(愛著)など、愛が付く仏教語は多くあります。そこから「愛」が仏教の中でどのように使われているのかを確認したいと思います。「愛想」、「愛嬌」というのは実は同じ仏教語「愛敬相」(あいぎょうそう)が語源で、仏・菩薩の姿は温和で慈悲深く、拝む人たちがその姿に愛(いつく)しみ、敬(うやま)わらずにはおられない相(そう)だということを表しています。「愛語」というのは四摂(ししょう)の一つである「あたたかい心のこもった言葉をかけること」で、これによって人々を救いに導く実践行です。そのことは聖徳太子によって著されたとされる『法華義疏』(ほっけぎしょ...