煩悩(ぼんのう)    
        
      煩悩とは、迷い苦しむ原因となる欲望のことで、煩わせる心・悟りに至る道を妨げる心のことを指します。悪い心の働き、身心をわずらわし、悩ます精神作用のことです。煩悩の捉え方は時代や宗派によって違いがあるものの、煩悩の根本には、人間の諸悪・苦しみの根源とされている貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の三毒があると考えられています。つまり、むさぼり(貪)、いかり(瞋)、おろかさ(癡)のことです。そこから細かく分析していくと無限にあると考えられることから、俗に煩悩は108あるといわれます。108という数字には「たくさん」という意味もあります。除夜の鐘を108回叩くのは108の煩悩を滅するためといわれます。「貪欲、...