子育てで注意しなければいけないことは、いくらでもあると思いますが、子どもの年齢や成長具合によって気を付けることも変わってきます。産まれてから小学校に入る前までは、特に手が掛かる時期と言えるでしょう。
乳幼児期は、大人がしっかり見守り、サポートしなければいけません。オムツをしている頃には、排せつを早めに察知する必要があるし、何を食べたか、昼寝をどれくらいしたかなど、チェック項目は数限りなくあります。
何故、チェックしておいた方が良いかと言うと、例えば「何で今日は寝てくれないのか」と思った時に、何時に昼寝をしたからかと納得できるからです。「何でぐずるのか」と思った時にも、色んな原因はあるものです。単純じゃないけど、一呼吸置いて、心の準備して接することは大切だなと感じました。
歩けるようになっても、服の準備やおもちゃの片づけなどを手伝う必要があります。付きっきりで子どものお世話をしていて思ったのは、「これって、お師匠さんのお世話と似ているな」という点でした。何なら、お師匠さんのお世話の方が大変だったなと。(遠い目)
私は内弟子生活をしていましたが、お師匠さんとの年の差は50歳。奥さんがお亡くなりになってから内弟子になったので、主夫兼僧侶の生活でした。朝のお経などを終えると、朝食づくり、掃除、洗濯(干して乾かして畳んで仕舞うまで)、風呂掃除、ゴミ出し、食料品の買い出し、犬の散歩、布団敷き。自分の家ではないので適当には出来ません。
お師匠さんが法事やお参りに出かける際には、今日着る着物を確認して出しておき、着付けも行います。法事なら持っていくものはあれとこれ。お葬式ならこのカバンにあれとこれ。という具合に準備していました。
お師匠さんが夜遅くにタクシーで帰ってくる頃、耳を澄まし、タクシーのエンジン音が聴こえたら門前まで迎えに行きます。「よく気がついたな」と言われましたが、弟子であれば当然のお出迎え。まあ、色々とやることはありました。
初めは教えられてお手伝いをする訳ですが、よく観察していると、次はこうだなということが見えてきます。これはお師匠さん相手でも、子ども相手でも同じだと感じました。弟子も親も成長している訳です。かと言って、単調な繰り返しではないのですが。
私の場合は、例えば行事の準備でタンスを動かさないといけないと分かっていて、何か言われてからやるのが嫌なので、早めにやってしまう性格なのですが、お師匠さんとしては、仕事を命じるのも自分の役割だと思っていたかもしれません。
子どもも同じで、主張したいし、部屋は片付いていない方が楽しい時もあるようです。とにかく、親がやった方が早くて、面倒に感じることもあるかもしれませんが、こうしたい、ああしたいという話を聞いて、出来ること・出来ないことをはっきりさせることが大事です。
たまたま、内弟子生活をしたので子育てに活かせましたが、もしかしたら、他の仕事の「こういうところが子育てに役立った」という話はあるのかもしれません。経験したことを他の分野にも応用して使うことは、試行錯誤も必要ですが楽しいことだと思います。