
吉備真備(きびのまきび)
奈良時代の公卿・学者。氏姓は下道(しもつみち)朝臣のち吉備朝臣。右衛士少尉・下道圀勝の子。官位は正二位・右大臣。元正朝の霊亀2年(716年)第9次遣唐使の留学生となり、翌養老元年(717年)に阿倍仲麻呂・玄昉らと共に唐(中国)に入ります。唐で18年間、経書と史書のほか、天文学・音楽・兵学などの諸学問を幅広く学びました。唐では知識人として名を馳せ、遣唐留学生の中で唐で名を上げたのは吉備真備と阿倍仲麻呂のただ二人のみと言われるほどでした。聖武天皇の天平6年(734年)10月に第10次遣唐使の帰国に伴って玄昉と同船で帰途に就き、途中で種子島に漂着しますが、翌天平7年(735年)4月に多くの典籍を携え...