日野富子(ひのとみこ)
室町時代後期から戦国時代前期の女性。室町幕府8代将軍・足利義政の正室。父は蔵人右少弁・日野重政、母は従三位・北小路苗子(北小路禅尼)。日野富子の活動に対する庶民からの評価は決して高くなく、戦乱で苦しむ庶民をよそに巨万の富を築いた「悪女」「守銭奴」と評された。夫の義政が東山山荘の造営のため費用捻出に苦心していたときは、一銭の援助もしていないことから「天下の悪妻」とも呼ばれる。一方で、火災で朝廷の御所が焼け、修復するため膨大な費用が必要になったときは自身の蓄財から賄ったりしていた。富子の遺産は7万貫(約70億円)に達していたという。学問にも熱心であり、関白・一条兼良に源氏物語の講義を受けている。将...