『伝光録』(でんこうろく)
正安元(1299)年、加賀の大乗寺に戻り、正安2(1300)年、義介禅師の代理として大乗寺の修行僧に対し釈尊以来五十三祖の機縁を提唱し、後に『伝光録』としてまとめられます。坐禅・仏法が釈尊からインド、中国の祖師へ伝わり、そして日本の道元禅師から懐奘禅師に至るまでの経緯を示しながら説いています。53人の祖師について、それぞれ【本則】、【機縁】、提唱部分を【拈提】、結びの頌(詩)を【頒古】に分けてまとめています。「正法眼蔵」にならぶ曹洞宗における重要な宗典と位置づけられています。なお、写本により差異がありますが、こちらに掲載しているものは明治十八年刊行、諸獄山蔵版『伝光録』(大内本)を底本とした上...