読売新聞に「お坊さんの婚活支援、高野山真言宗が後継者難で…他宗派注目」という記事が掲載されていた。この記事を元に、情報源を見てみようと高野山真言宗HPを見たところ、記事にあった「4月にHPで告知したところ」の情報も、「登録用紙のダウンロード」の情報はどこにもなかった。確認してから書きたかったけれど、情報を信じるとして・・・。
寺院の後継者が少なくなっていることは結構前から言われている。法事や葬儀のお布施のみに頼っているというイメージがあり、実際、多くの寺院がそうで、それだけでは生活できなくて別に働いている方々も多い。寺院を守るというのは大変なことだが、一般市民にとってはあまりイメージが良くない。
浄土真宗系の宗派以外の僧侶は明治以前まで結婚禁止で、明治政府の方針で結婚が認められた経緯があり、仏教界が進んで僧侶の結婚を望んだわけでもない。現在の世襲を当然のようにしている寺院の僧侶は自身で疑問が湧かないものかと思う。
そんな風に思っているので「お坊さんの婚活支援」は必要ないことだと思う。必要なものが残り、必要ないものが消えていく、仏教の諸行無常だ。婚活支援が必要になるくらい世襲に頼っている現状ならば、世襲できないことをチャンスと思って、世襲ではない方法で僧侶を住職とする方法を考えるべき時にきたのではないだろうか。
極端な話になったが、僧侶は結婚してはいけないということではない。「結婚するならお坊さんを辞める」というのが本来の伝統的な仏教の僧侶。日本以外の仏教は今でもそうだ。出家なのだから。子育てして、落ち着いて、志があれば、また僧侶になればいいだろう。私は在家から出家して副住職になったが、当時、色々考え結婚直後に還俗した。
在家から出家するというのは昔はあたり前の話だったが、今では世襲が多いため在家からの出家が特別扱いされる。定年後に出家した人に対して世襲の僧侶はあまりいい様には思わない。自分は若い時から頑張ってきたのに、年とってから僧侶になって立派に見えるのが気に入らないという意見も聞いた。世襲僧侶の本音だろう。
政治家も世襲禁止に乗り出したことだし、仏教界もそれくらいしなければ、イメージは若者中心に悪くなる一方だ。解決していくには婚活支援ではなくて、まず寺院単位で仏教の現状を包み隠さず表に出すこと。裏がある団体や人に悩みは話せない。世襲が多い現状を考えて、それ自体は否定できないこだ。これからどうするかが仏教がこれから先、100年、1000年と必要とされるかどうかの明暗を分けるだろう。