【仏教用語/人物集 索引】

苦(く)

投稿日:2018年8月7日 更新日:

仏教で言うところの「苦」は、思い通りにならないということです。現世では生・老・病・死の四苦と、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦の四苦を加えた八苦であるという真理を説いたものです。

「一切皆苦」「四苦八苦」「苦集滅道」という言葉にも「苦」が入っていますが、同じ意味で使われています。この「苦」は他の仏教経典と同じく中国において「苦」と漢訳されたわけですが、もともとのインドではパーリ語でドゥッカ(dukkha)、サンスクリット語でドゥフカ(duḥkha)という言葉でした。思い通りにならない、空しい、不満、不安定、苦しい、という意味がありました。

現代よく使う”苦”は、何かを食べて苦いとか、堪え難い体験をして苦しむとか自覚があることですし、苦いものを食べなければ苦いこともないし、堪え難い体験をしなければ苦しみもありませんし、当然”苦”の自覚もありません。しかし、仏教で言うところの「苦」は、何かが起こった時に自分が考えたり、想ったりする以前に、自覚のあるなしに関係なく、全ての物事が常に変化している(諸行無常)のだから、それを自分の思い通りにすることはできないということです。

そうかと言って、人生においては「思い通りにいった」という経験もあるかもしれません。それはたまたまかもしれませんが、物事の変化に合った動きだったはずです。もし、思い通りにいかなくても悲観する必要はありません。思い通りにいかないからこそ、努力して、より良い人生を歩もうとしたり、助け合って、周りの人々と幸せを共有りしたいと思うわけです。

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