【仏教用語/人物集 索引】

【第4話】意識~感謝の気持ちや畏敬の念を持つ時間を作る

投稿日:2020年7月13日 更新日:

今朝、窓を開けると山がはっきりと見えました。曇りではあるものの、山の描線がはっきりと見えます。連日、曇りや雨が続いていたので、あり難い気持ちになりました。
私は意識して毎日、自然を感じるようにしています。山を見たり、海を見たり、空を見たり。晴れた日なら光を、雨の日なら雨音を、曇りなら薄暗さを、そうやって身近な自然の営みを感じて、どんな状況であれ感謝しています。

カリフォルニア大学の社会心理学者ポール・ピフ博士は「畏敬の念は自分より巨大なものに合わせようという感情を起こさせる」と言い、畏敬の念を持つことで親切心や思いやりを増進させることが、その他の心理学の研究でも分かってきています。

1日に15分以上、大自然の動画を見るだけでも同様の効果があるとも言われ、私の場合は身近な自然を見て実践しています。これって、もしかして、自然崇拝であったり、神仏への祈りであったり、そういうところとも繋がってくるのではないですかね。

朝夕、仏壇に手をあわせるという光景は、日本には今も残っています。それが本尊に対するものか、先祖に対するものかは人によって違うでしょうが、感謝の気持ちを込める時間を持つことが、日本で暮らす人の性格を形作ってきたのかもしれません。

自分で意識して自然を見渡すこと、機械的ではなく感謝の気持ちや畏敬の念を込めること、そうすることで親切心や思いやりを増進させることが出来るのであれば、私たちの生活は心地よいものになってくるはずです。そうすることによって、こうなりたいなという道ができるのではないでしょうか。

私は公的機関で学生対象のネット監視員を務めた経験があります。インターネットの利用が進み、便利になる一方、その弊害も進んでいます。悪口や個人攻撃などがその代表格で、イジメや自殺を助長する場合が多くあります。

問題は千差万別ですが、心に思うこと、言葉で言うこと、文字などの形にすること、それが誰まで見ることが出来る情報なのかなど、悪口や個人攻撃にも段階があることは分かると思います。しかし、その力の強さを知らずに使う人、その力を無防備に受けてしまう人が多いように感じます。

世界中の誰もが見ることが出来る情報、逆にその相手にしか見ることが出来ない情報、どちらの場合でも、あなたが伝える言葉を誰かと共有するのであれば、相手がどのような気持ちで受け取るのかを知っておくべきです。

もし、相手がその言葉を受け取らなければ、その言葉はあなたに帰ってきます。それを知らない人は、相手が受け取らないで自分に返ってきた言葉がストレスになり、さらに攻撃を続けるかもしれません。そんな不毛な関係は早く断ちましょう。

インターネット上の世界は人工的につくられたものです。自然を感じられるものは少ないし、機械的で、データをやり取りして成り立つ世界です。人は頭の中だけで考え事をすると疲れるし、飽きるし、関係ないことを思いつくこともありますが、インターネット上にあるのはデータなので、積み重ね、蓄積し、同じことを問題にし続けられます。

人がネットに合わせる必要はないんです。道具やインフラは使いようです。ネットを自分の一部だと思う人がいるのであれば、それと同じように自然も自分の一部だと思える機会があるかもしれません。

対象物は何であれ、意識して感謝の気持ちや畏敬の念を持つ時間を作ることで、親切心や思いやりを増進させることが出来るのであれば、やらない手はないのではないでしょうか。あらゆる問題が解決することを願います。

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