天蓋(てんがい)
天蓋とは、仏像や住職が座っている上部にかざされる長方形・六角形・八角形・円形など笠状の仏具です。寺院の本堂などの諸堂に祀られている仏像の上部には「仏天蓋」が、住職が座っている位置の上部には「人天蓋」が飾られいて、彫刻や装飾が施され堂内の荘厳具となっています。儀式などで僧侶に差しかけられる番傘も天蓋です。天蓋は梵語で「チャトラ」といい、天に懸けられた蓋(かさ)のことです。もともとは、インドで強い日差しを避けるためにクシャトリヤ(王族・戦士階級)が使っていた傘蓋(さんがい)が元となっていて、帝釈天が常に天蓋を差し掛けてブッダに従ったという伝説が残されています。初期仏教では仏舎利(ブッダの遺骨)への...