【第6話】空間~狭まったり、広まったり
「起きて半畳、寝て一畳」。これは禅寺などでの修行僧の生活を端的に表しています。実際はどうかというと、私も坐禅堂で寝る生活をしていましたが、そこでは確かにそのような生活を今でも守っています。早朝、振鈴と言って、大きな鈴を振ってお寺中を駆け回る当番が時間を知らせます。その合図で起きたら、一畳分のスペースに敷かれていた布団をまとめて仕舞う、押入れのようなスペースが、寝ていた頭元にあり、そこに押し込み木の蓋を閉めます。そうすると、ただ畳と壁側に木の収納スペースがあることしか見えない状態になります。坐禅する時は半畳ほどのスペースで足りますが、大人数の時は一畳分に二人が座りました。坐禅堂で食事をする場合は...