寺社の売店などで現金を使わないキャッシュレス決済が進む中、京都仏教会(京都市上京区)は2019年6月28日、さい銭や布施といった宗教行為への導入に反対する声明を発表した。第三者による信者の個人情報の把握や課税対象化などに対する懸念を理由に挙げている。
声明文では法要や拝観などの宗教行為と、売店で絵はがきやキーホルダーといったグッズを販売する収益事業を明確に分離すると明記。その上で既に京都や滋賀でも広がる収益事業に対するキャッシュレス化は容認した。
宗教行為での反対の理由は、信者の個人情報や宗教的活動が第三者に把握される恐れがある▽将来的に宗教課税が発生する可能性もある▽信者や寺院の行動が外部に知られることで宗教弾圧に利用される恐れがある―など。全日本仏教会(東京)とも連携し全国の寺院にも浸透を図る。
上京区の相国寺宗務所であった記者会見には京都仏教会の有馬頼底理事長や「宗教と社会研究実践センター」(東京)の洗建所長らが出席。有馬理事長は「キャッシュレスの導入が可能な部分と受け入れてはならない部分の線引きがあいまいな寺社もある。今このタイミングでしっかりとメッセージを発信することが大切だと考える」と話した。(リンク先より)
・京都仏教会「さい銭、キャッシュレス反対」 個人情報流出懸念
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