マニ車とは、主にチベット仏教文化圏で使われている円筒形の部分が回る構造になっている仏具です。その側面にはマントラが刻まれ、内部にはロール状の経文や真言が納められています。大きさは様々で、指先で掴むものから、手で握って使うもの、寺院などでは円筒部だけで数十センチのものが壁にいくつも設置されていたり、高さ2~3メートルにも及ぶマニ車が設置されていたりします。
チベット仏教文化圏を歩いていると、川や滝の水力で回るもの、自然の風で回るもの、灯明の熱で回るマニ車のほか、太陽電池で自動回転するソーラーマニ車もあります。寺院などに設置されているものは基本的に誰でも回すことが出来ますが、大事なものなので、例えば下の画像のマニ車の場合、マントラが刻まれている部分を触るのではなく、付け根の棒のところに手で回す部分があるので、初めての場合はよく観察して利用したいところです。
なお、日本でも経蔵(きょうぞう)に輪蔵(りんぞう)が設置されている場合は同じ仕組みです。また、近年になってマニ車を導入している日本の寺院も見かけるようになりました。
(マニ車・2016年7月ブータンにて撮影)
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