国道175号を東勅使で右折し、少し行った所に佇む古刹である。道路から少し入っただけで、道路の騒音が途絶される静かな雰囲気の寺である。ここは浄土真宗本願寺派に属し、「古事記」が完成した和銅5年(712)に開祖された由緒ある寺院である。
本堂正面の向拝を見上げる。梁間はそれほど広いものではないが、竜の彫り物がしつらえられている。左前方を威嚇するように睨んでいる。どういうわけか目が白く、銅線の髭が纏わりついている。口を大きく開け、舌を立てている。何といっても狭い空間からはみ出す、“いらか”の迫力が素晴らしい。宝珠を右爪でしっかり握っている。木鼻には、鑿の切れ味鋭い大きな造りの唐獅子と獏がいる。手挟みの菊の花の多彩さもいい。本堂内を覗う。色鮮やかな色彩を纏った天女が舞っている。西本願寺派の彫り物師のものだ。文政5年(1822)、6代目中井権次正貞の力作である。(リンク先より)