ダンマパダ

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『法句経』ダンマパダ – ブッダ 真理の言葉

かの尊師・真人・正しく覚った人に敬礼したてまつる。【 第1章 ひと組みずつ 】1 物事は心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。車をひく牛の足跡に車輪がついて行くように。2 物事は心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。影がそのからだから離れないように。3 「彼は、我を罵った。彼は、我を害した。彼は、我に打ち勝った。彼は、我から強奪した。」という思いをいだく人には、怨みはついにやむことがない。4 「彼は、我を罵った。彼は、我を害した...
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『法句経』ダンマパダ【 第26章 バラモン 】

383 バラモンよ。流れを断って。勇敢であれ。諸の欲望を去れ。諸の現象の消滅を知って、作られざるもの(ニルヴァーナ)を知る者であれ。384 バラモンが二つの事柄(止と観)について彼岸に達し、完全になったならば、彼はよく知る人であるので、彼の束縛は全て消え失せるであろう。385 彼岸もなく、此岸もなく、彼岸・此岸なるものもなく、恐れもなく、束縛もない人、彼を我はバラモンと呼ぶ。386 静かに思い、塵垢なく、落ち着いて、為すべきことをなしとげ、煩悩を去り、最高の目的を達した人、彼を我はバラモンと呼ぶ。387 太陽は昼に輝き、月は夜に照し。武士は鎧を着て輝き、バラモンは瞑想に専念して輝く。しかしブッ...
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『法句経』ダンマパダ【 第25章 修行僧 】

360 眼について慎しむのは善い。耳について慎しむは善い。鼻について慎しむのは善い。舌について慎しむのは善い。361 身について慎むのは善い。言葉について慎しむのは善い。心について慎しむのは善い。あらゆることについて慎しむのは善いことである。修行僧はあらゆる事柄について慎しみ、全ての苦しみから脱れる。362 手をつつしみ、足をつつしみ、言葉をつつしみ、最高につつしみ、内心に楽しみ、心を安定統一し、ひとりで居て、満足している、その人を修行僧と呼ぶ。363 口をつつしみ、思慮して語り、心が浮わつくことなく、事がらと真理とを明らかにする修行僧、彼の説くところは優しく甘美である。364 真理を喜び、真...
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『法句経』ダンマパダ【 第24章 愛執 】

334 ほしいままの振る舞いをする人には愛執が蔓草のようにはびこる。林の中で猿が果実を探し求めるように、この世からかの世へとあちこちにさまよう。335 この世において執著のもとであるこのうずく愛欲のなすがままである人は、諸々の憂いが増大する。雨が降ったあとにはビーラナ草がはびこるように。336 この世において如何ともし難いこのうずく愛欲を断ったならば、憂いはその人から消え失せる。水の滴が蓮華から落ちるように。337 さあ、みなさんに告げます。ここに集まったみなさんに幸あれ。欲望の根を掘れ。香しいウシーラ根を求める人がビーラナ草を掘るように。ヨシが激流に砕かれるように、魔にしばし砕かれてはならな...
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『法句経』ダンマパダ【 第23章 象 】

320 戦場の象が、射られた矢に当たっても堪え忍ぶように、我は人のそしりを忍ぼう。多くの人は実に性質が悪いからである。321 馴らされた象は、戦場にも連れて行かれ、王の乗り物ともなる。世のそしりを忍び、自らをおさめた者は、人々の中にあっても最上の者である。322 馴らされたラバは良い。インダス河のほとりの血統よき馬も良い。クンジャラという名の大きな象も良い。しかし自己を整えた人はそれらよりもすぐれている。323 何となれば、これらの乗り物によっては未到の地(ニルヴァーナ)に行くことはできない。そこへは、慎しみある人が、自らをよく整えて赴く。324 「財を守る者」という名の象は、発情期にこめかみ...
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『法句経』ダンマパダ【 第22章 地獄 】

306 いつわりを語る人、あるいは自分でしておきながら「私はしませんでした」と言う人、この両者は死後には等しくなる、来世では行ないの下劣な業をもった人々なのであるから。307 袈裟を頭からまとっていても、性質が悪く、つつしみのない者が多い。彼ら悪人は、悪い振る舞いによって、悪いところに(地獄)に生まれる。308 戒律を守らず、みずから慎むことがないのに国の信徒の施しを受けるよりは、火炎のように熱した鉄丸を食らう方がましだ。309 放逸で他人の妻になれ近づく者は、四つの事がらに遭遇する。すなわち、禍をまねき、臥して楽しからず、第三に非難を受け、第四に地獄に墜ちる。310 禍をまねき、悪しきところ...
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『法句経』ダンマパダ【 第21章 様々なこと 】

290 つまらぬ快楽を捨てることによって、広大なる楽しみを見ることが出来るのなら、心ある人は広大な楽しみを望んで、つまらぬ快楽を捨てよ。291 他人を苦しめることによって自分の快楽を求める人は、怨みの絆にまつわれて、怨みから免れることが出来ない。292 為すべきことをなおざりにし、為すべからざることをなす、遊びたわむれ放逸なる者どもには汚れが増す。293 常に身体の本性を思い続けて、為すべからざることを為さず、為すべきことを常に為して、心がけてみずから気を付けている人々には諸々の汚れがなくなる。294 妄愛という母と我ありという慢心である父とを滅ぼし、永久に存在するという見解と滅びて無くなると...
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『法句経』ダンマパダ【 第20章 道 】

273 諸々の道の内では、八つの部分よりなる正しい道(八正道)が最もすぐれている。諸々の真理の内では、四つの句(四諦)がもっともすぐれている。諸々の徳の内では、情欲を離れることが最もすぐれている。人々の内では、眼ある人(ブッダ)が最もすぐれている。274 これこそ道である。真理を見る働きを清めるためには、この他に道は無い。あなたたちはこの道を実践せよ。これこそ悪魔を迷わして打ちひしぐものである。275 あなたたちがこの道を行くならば、苦しみをなくすことが出来るであろう。棘や矢が肉に刺さったのであれば、棘や矢を抜いて癒す方法を知って、わたくしはあなたたちにこの道を説いたのだ。276 あなたたちは...
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『法句経』ダンマパダ【 第19章 道を実践する人 】

256 荒々しく事がらを処理するからとて、公正な人ではない。賢明であって、義と不義との両者を見極める人、257 粗暴になることなく、決まりに従って、公正な仕方で他人を導く人は、正義を守る人であり、道を実践する人であり、聡明な人であると言われる。258 多く説くからとて、それゆえに彼が賢者なのではない。心穏やかに、怨むことなく、恐れることのない人、彼こそ賢者と呼ばれる。259 多く説くからとて、それゆえに彼が道を実践している人なのではない。たとい教えを聞くことが少なくても、身をもって真理を見る人、怠って道からはずれることの無い人、彼こそ道を実践している人である。260 頭髪が白くなったからとて長...
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『法句経』ダンマパダ【 第18章 汚れ 】

235 あなたはいまや枯葉のようなものである。閻魔王の従卒もまたあなたに近づいた。あなたはいま死出の門路に立っている。しかしあなたには旅の資糧さえも存在しない。236 だから、自己の拠り所をつくれ。すみやかに努めよ。賢明であれ。汚れをはらい、罪過がなければ、天の尊い処に至るであろう。237 あなたの生涯は終りに近づいた。あなたは、閻魔王の近くに赴いた。あなたには、みちすがら休らう宿もなく、旅の資糧も存在しない。238 だから、自己の拠り所をつくれ。すみやかに努めよ。賢明であれ。汚れをはらい、罪過がなければ、あなたはもはや生と老いとに近づかないであろう。239 聡明な人は順次に少しずつ、一刹那ご...
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『法句経』ダンマパダ【 第17章 怒り 】

221 怒りを捨てよ。慢心を除き去れ。いかなる束縛をも超越せよ。名称と形態とにこだわらず、無一物となった者は、苦悩に追われることがない。222 走る車をおさえるようにむらむらと起る怒りをおさえる人、彼を我は御者(ぎょしゃ/馬車に乗って馬を操る人)とよぶ。他の人はただ手綱を手にしているだけである。(御者とよぶには相応しくない。)223 怒らないことによって怒りに打ち勝て。善いことによって悪いことに打ち勝て。分かち合うことによって物惜しみに打ち勝て。真実によって虚言の人に打ち勝て。224 真実を語れ。怒るな。請われたならば、乏しい中から与えよ。これらの三つの事によって死後には天の神々のもとに至り得...
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『法句経』ダンマパダ【 第16章 愛するもの 】

209 道に違うたことになじみ、道に順ったことにいそしまず、目的を捨てて快いことだけを取る人は、みずからの道に沿って進む者をうらやむに至るであろう。210 愛する人と会うな。愛しない人とも会うな。愛する人に会わないのは苦しい。また愛しない人に会うのも苦しい。211 それ故に愛する人をつくるな。愛する人を失うのは災いである。愛する人も憎む人もいない人々には、わずらいの絆が存在しない。212 愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生ずる、愛するものを離れたならば、憂いは存在しない。どうして恐れることがあろうか?213 愛情から憂いが生じ、愛情から恐れが生ずる。愛情を離れたならば憂いが存在し...
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『法句経』ダンマパダ【 第15章 楽しみ 】

197 怨みをいだいている人々の間にあって怨むこと無く、我らは大いに楽しく生きよう。怨みを持っている人々の間にあって怨むこと無く、我らは暮らしていこう。198 悩める人々の間にあって、悩み無く、大いに楽しく生きよう。悩める人々の間にあって、悩み無く暮らそう。199 貪っている人々の間にあって、患い無く、大いに楽しく生きよう。貪っている人々の間にあって、貪らないで暮らそう。200 我々はほんの少しの物をも所有していない。大いに楽しく生きて行こう。光り輝く神々のように、喜びを食む者となろう。201 勝利からは怨みが起る。敗れた人は苦しんで臥す。勝敗を捨てて、安らぎに帰した人は、安らかに臥す。202...
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『法句経』ダンマパダ【 第14章 ブッダ 】

179 ブッダの勝利は敗れることがない。この世においては何人も、彼の勝利には達し得ない。ブッダの境地は広くて果てしがない。足跡を持たない彼を、いかなる道によって誘い得るであろうか?180 誘なうために網のようにからみつき執著をなす妄執は、彼にはどこにも存在しない。ブッダの境地は、広くて果てしがない。足跡を持たない彼を、いかなる道によって誘い得るであろうか?181 正しい悟りを開き、おもいにふけり、瞑想に専念している心ある人々は世間から離れた静けさを楽しむ。神々でさえも彼をうらやむ。182 人間の身を受けることは難しい。死すべき人々に寿命があるのも難しい。正しい教えを聞くのも難しい。諸々の仏の出...
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『法句経』ダンマパダ【 第13章 世の中 】

167 下劣な仕方になじむな。怠けてふわふわと暮らすな。邪な見解をいだくな。世俗のわずらいを増やすな。168 奮起てよ。怠けてはならぬ。善い行いのことわりを実行せよ。ことわりに従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。169 善い行ないのことわりを実行せよ。悪い行ないのことわりを実行するな。ことわりに従って行なう人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。170 世の中は泡沫のごとしと見よ。世の中はかげろうのごとしと見よ。世の中をこのように観ずる人は、死王も彼を見ることがない。171 さあ、この世の中を見よ。王者の車のように美麗である。愚者はそこに夢中になって判断力を失するが、心ある...
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『法句経』ダンマパダ【 第12章 自己 】

157 もしも人が自己を愛しいものと知るならば、自己をよく守れ。賢い人は、夜の三つの区分の内の一つだけでも、つつしんで目ざめておれ。158 先ず自分を正しく整え、次いで他人を教えよ。そうすれば賢明な人は、煩わされて悩むことが無いであろう。159 他人に教える通りに、自分でも行なえ。自分をよく整えた人こそ、他人を整え得るであろう。自己は実に制し難い。160 自己こそ自分の主である。他人がどうして自分の主であろうか?自己をよく整えたならば、得難き主を得る。161 自分がつくり、自分から生じ、自分から起こった悪が知慧悪しき人を打ちくだく。金剛石が宝石を打ちくだくように。162 極めて性の悪い人は、仇...
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『法句経』ダンマパダ【 第11章 老いること 】

146 何の笑いがあろうか。何の歓びがあろうか?世間は常に燃え立っているのに。あなたたちは暗黒に覆われている。どうして燈明を求めないのか?147 見よ、粉飾された形体を!それは傷だらけの身体であって、色々なものが集まっただけである。病いに悩み、意欲ばかり多くて、堅固でなく、安住していない。148 この容色は衰え果てた。病いの巣であり、脆くも滅びる。腐敗のかたまりで、やぶれてしまう。生命は死に帰着する。149 秋に投げすてられた瓢箪(ひょうたん)のような、鳩の色のようなこの白い骨を見ては、なんの快さがあろうか?150 骨で城がつくられ、それに肉と血とが塗ってあり、老いと死と高ぶりとごまかしとがお...
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『法句経』ダンマパダ【 第10章 暴力 】

129 全ての者は暴力におびえ、全ての者は死をおそれる。自身をひきくらぺて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。130 全ての者は暴力におびえる。全ての生きものにとって生命は愛しい。自身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。131 生きとし生ける者は幸せを求めている。もしも暴力によって生きものを害するならば、その人は自分の幸せを求めていても、死後には幸せが得られない。132 生きとし生ける者は幸せを求めている。もしも暴力によって生きものを害しないならば、その人は自分の幸せを求めているが、死後には幸せが得られる。133 荒々しい言葉を言うな。言われた人々はあなたに言い返すであろう。...
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『法句経』ダンマパダ【 第9章 悪 】

116 善を為すのを急げ。悪から心を退けよ。善を為すのにのろのろしたら、心は悪事を楽しむ。117 人がもしも悪いことをしたならば、それを繰り返すな。悪事を心がけるな。悪がつみ重なるのは苦しみである。118 人がもし善いことをしたならば、それを繰り返せ。善いことを心がけよ。善いことがつみ重なるのは楽しみである。119 まだ悪い報いが熟しない間は、悪人でも幸運に遭うことがある。しかし悪の報いが熟したときは、悪人は災いに遭う。120 まだ善い報いが熟しない間は、善人でも災いに遭うことがある。しかし善の果報が熟したときは、善人は幸福に遭う。121 「その報いは私には来ないであろう」と思って、悪を軽んず...
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『法句経』ダンマパダ【 第8章 千という数にちなんで 】

100 無益な語句を千たび語るよりも、聞いて心の静まる有益な語句を一つ聞く方がすぐれている。101 無益な語句よりなる詩が千あっても、聞いて心の静まる詩を一つ聞く方がすぐれている。102 無益に語句よりなる詩を百となえるよりも、聞いて心の静まる詩を一つ聞く方がすぐれている。103 戦場において百万人に勝つよりも、唯だ一つの自己に克つ者こそ、実に最上の勝利者である。104、105 自己に打ち克つことは、他の人々に勝つことよりもすぐれている。常に行ないをつつしみ、自己を整えている人、このような人の克ち得た勝利を敗北に転ずることは、神も、ガンダルヴァ(天の伎楽神)も、悪魔も、梵天も為すことが出来ない...
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『法句経』ダンマパダ【 第7章 真人 】

90 すでに人生の旅路を終え、憂いを離れ、あらゆる事柄にくつろいで、あらゆる束縛の絆を逃れた人には、悩みは存在しない。91 心をとどめている人々は努め励む。彼らは住居(執着)を楽しまない。白鳥が池を立ち去るように、彼はあの家、この家を捨てる。92 財を蓄えることなく、食物についてその本性を知り、その人々の解脱の境地は空にして無相であるならば、彼らの行く路(足跡)は知り難い。空飛ぶ鳥の迹が知り難いように。93 その人の汚れは消え失せ、食物をむさぼらず、その人の解脱の境地は空にして無相であるならば、彼の足跡は知り難い。空飛ぶ鳥の迹の知り難いように。94 御者が馬をよく馴らしたように、自身の感官を静...
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『法句経』ダンマパダ【 第6章 賢い人 】

76 自らの罪過を指摘し過ちを告げてくれる聡明な人に会ったならば、その賢い人につき従え。隠してある財宝のありかを告げてくれる人につき従うように。そのような人につき従うならば、善いことがあり、悪いことは無い。77 他人を訓戒せよ、教えさとせ。よろしくないことから他人を遠ざけよ。そうすれば、その人は善人に愛され、悪人から疎まれる。78 悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。79 真理を喜ぶ人は、心清らかに澄んで、安らかに臥す。聖者の説きたまうた真理を、賢者は常に楽しむ。80 水道をつくる人は水を導き、矢をつくる人は矢を整え、大工は木材を整え、賢者は自己を整える。81...
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『法句経』ダンマパダ【 第5章 愚かな人 】

60 眠れない人には夜は長く、疲れた人には一里の道は遠い。正しい真理を知らない愚かな者どもには、生死の道のりは長い。61 旅に出て、もしも自分よりもすぐれた者か、または自分に等しい者に出会わなかったら、むしろきっぱりと独りで行け。愚かな者を道伴れにしてはならぬ。62 「私には子がある。私には財がある」と思って愚かな者は悩む。しかしすでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。63 もしも愚者がみずから愚であると考えれば、すなわち賢者である。愚者でありながら、しかもみずから賢者だと思う者こそ、愚者だと言われる。64 愚かな者は生涯賢者に...
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『法句経』ダンマパダ【 第4章 花にちなんで 】

44 誰がこの大地を征服するであろうか?誰が閻魔の世界(あの世)と神々とともなるこの世界とを征服するであろうか?技に巧みな人が花を摘むように。善く説かれた真理の言葉を摘み集めるのは誰であろうか?45 学びにつとめる人こそ、この大地を征服し、閻魔の世界と神々とともなるこの世界とを征服するであろう。技に巧みな人が花を摘むように、学びにつとめる人々こそ善く説かれた真理の言葉を摘み集めるであろう。46 この身は泡沫のごとくであると知り、かげろうのようなはかない本性のものであると、悟ったならば、悪魔の花の矢(三界の生存)を断ち切って、死王に見られないところへいくであろう。47 花を摘むの(五欲の対象)に...
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『法句経』ダンマパダ【 第3章 心 】

33 心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英知ある人はこれを真っすぐにする。弓師が矢の弦を真っすぐにするように。34 水の中の住居から引き出されて陵の上になげすてられた魚のように、この心は、悪魔の支配(煩悩による生死流転の輪)から逃れようとしてもがきまわる。35 心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するままに赴く。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。36 心は、極めて見難く、極めて微妙であり、欲するがままに赴く。英知ある人は心を守る。心を守ったならば、安楽をもたらす。37 心は遠くに行き、独り動き、形体なく、胸の奥の洞窟にひそんでいる。この心を制する...
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『法句経』ダンマパダ【 第2章 励み 】

21 つとめ励むのは不死の境地である。おこたりなまけるのは死の境涯である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。おこたりなまける人々は、死者の如くである。22 このことをはっきりと知って、つとめ励むことをよく知る人々は、つとめ励みを喜び、聖者たちの境地を楽しむ。23 道に思いをこらし、堪え忍ぶこと強く、常に健くつとめ励む、思慮ある人々は、安らぎに達する。これは無上の幸せである。24 心は奮い立ち、思いつつましく、行いは清く、気を付けて行動し、みずから制し、法に従って生き、つとめ励む人は、名声が高まる。25 思慮ある人は、奮い立ち、つとめ励み、自制によって、激流も押し流すことのできない島をつくれ。26...