竹林精舎とは、インド・ビハール州のラージギルにあります。現地ではVenuvanaといいます。ブッダが竹林精舎に滞在した時代、ラージギルはビンビサーラ王(頻婆娑羅王・びんばしゃらおう)が統治するマガダ国の首都・王舎城(ラージャグリハ)の北門から500メートルに位置しています。また、霊鷲山(りょうじゅせん)は北東へ5キロ程の距離です。
竹林精舎の竹林はブッダに帰依したビンビサーラ王が寄進したものでありました。精舎(ヴィハーラ)は、雨期に出家者が集まって修行する場所のことです。竹林に精舎を寄進したのがカランダ長者でした。ブッダと弟子たちの教えや生活態度に感激して精舎を建立したのだそうです。これが仏教史上で寺院建立の最初といわれています。竹園、竹園林ともいいます。
竹林精舎ができて間もなく、サンジャヤ(思想家、不可知論者、懐疑論者)の高弟サーリプッタ(舎利弗)とモッガラーナ(目連)の2人が兄弟弟子250人と共にブッダに帰依し教団に加わりました。この2人は、後にブッダの1、2を競うような弟子となるのでした。竹林精舎というだけあって、現在でも竹が所々に生えています。中央にはカランダ池があり、その畔で今でもブッダが説法をしているかのように仏像が佇んでいました。
・「わたしが聞いたところによると、ある時尊き師(ブッダ)は王舎城の竹園林にあるリス飼養の所に住んでおられた。」(スッタニパータ)
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