何を基準に物事を見ているか

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『法句経』ダンマパダ【 第14章 ブッダ 】

179 ブッダの勝利は敗れることがない。この世においては何人も、彼の勝利には達し得ない。ブッダの境地は広くて果てしがない。足跡を持たない彼を、いかなる道によって誘い得るであろうか?180 誘なうために網のようにからみつき執著をなす妄執は、彼にはどこにも存在しない。ブッダの境地は、広くて果てしがない。足跡を持たない彼を、いかなる道によって誘い得るであろうか?181 正しい悟りを開き、おもいにふけり、瞑想に専念している心ある人々は世間から離れた静けさを楽しむ。神々でさえも彼をうらやむ。182 人間の身を受けることは難しい。死すべき人々に寿命があるのも難しい。正しい教えを聞くのも難しい。諸々の仏の出...
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『法句経』ダンマパダ【 第6章 賢い人 】

76 自らの罪過を指摘し過ちを告げてくれる聡明な人に会ったならば、その賢い人につき従え。隠してある財宝のありかを告げてくれる人につき従うように。そのような人につき従うならば、善いことがあり、悪いことは無い。77 他人を訓戒せよ、教えさとせ。よろしくないことから他人を遠ざけよ。そうすれば、その人は善人に愛され、悪人から疎まれる。78 悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。79 真理を喜ぶ人は、心清らかに澄んで、安らかに臥す。聖者の説きたまうた真理を、賢者は常に楽しむ。80 水道をつくる人は水を導き、矢をつくる人は矢を整え、大工は木材を整え、賢者は自己を整える。81...
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『法句経』ダンマパダ【 第4章 花にちなんで 】

44 誰がこの大地を征服するであろうか?誰が閻魔の世界(あの世)と神々とともなるこの世界とを征服するであろうか?技に巧みな人が花を摘むように。善く説かれた真理の言葉を摘み集めるのは誰であろうか?45 学びにつとめる人こそ、この大地を征服し、閻魔の世界と神々とともなるこの世界とを征服するであろう。技に巧みな人が花を摘むように、学びにつとめる人々こそ善く説かれた真理の言葉を摘み集めるであろう。46 この身は泡沫のごとくであると知り、かげろうのようなはかない本性のものであると、悟ったならば、悪魔の花の矢(三界の生存)を断ち切って、死王に見られないところへいくであろう。47 花を摘むの(五欲の対象)に...
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スッタニパータ【第1 蛇の章】4、田を耕すバーラドヴァージャ

わたしが聞いたところによると、あるとき尊き師(ブッダ)はマガダ国の南山にある「一つの茅」というバラモン村におられた。その時、田を耕すバラモン・バーラドヴァージャは、種子を捲く時に五百挺の鋤を牛に結びつけた。 その時、師(ブッダ)は朝早く内衣を着け、鉢と上衣とをたずさえて、田を耕すバラモン・バーラドヴァージャが仕事をしているところへ赴かれた。ところでその時、田を耕すバラモン・バーラドヴァージャは食物を配給していた。 そこで師は食物を配給しているところに近づいて、傍らに立たれた。田を耕すバラモン・バーラドヴァージャは、師が食を受けるために立っているのを見た。そこで師に告げて言った、「道の人よ。私は...
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スッタニパータ【第1 蛇の章】5、チュンダ

83 鍛冶工のチュンダが言った、「偉大な智慧ある聖者・目ざめた人・真理の主・妄執を離れた人・人類の最上者・優れた御者に、私はおたずねします。世間にはどれだけの修行者がいますか?どうぞお説きください。」84 師(ブッダ)は答えた、「チュンダよ。四種の修行者があり、第五の者はありません。面と向かって問われたのだから、それらをあなたに明かしましょう。<道による勝者>と<道を説く者>と<道において生活する者>と及び<道を汚す者>とです。」85 鍛冶工チュンダは言った、「目ざめた人々は誰を<道による勝者>と呼ばれるのですか?また<道を習い覚える人>はどうして無比なのですか?またおたずねしますが、<道によ...
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スッタニパータ【第1 蛇の章】9、雪山に住む者

153 七岳という神霊(夜叉)が言った、「今日は十五日のウポーサタである。みごとな夜が近づいた。さあ、我々は世にもすぐれた名高い師ゴータマ(ブッダ)にお目にかかろう。」154 雪山に住む者という神霊(夜叉)が言った、「このように立派な人の心は一切の生きとし生けるものに対してよく安立しているのだろうか。望ましいものに対しても、望ましくないものに対しても、彼の意欲はよく制されているのであろうか?」155 七岳という神霊は答えた、「このように立派なかれ(ブッダ)の心は、一切の生きとし生けるものに対してよく安立している。また望ましいものに対しても、望ましくないものに対しても、彼の意欲はよく制されている...
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スッタニパータ【第4 八つの詩句の章】13、並ぶ応答 ─ 長篇

895 これらの偏見を固執して、「これのみが真理である」と説き伝える人々、彼らは全て他人からの非難を招く。また、それについて一部の人々から称賛を博するだけである。896 たとえ称賛を得たとしてもそれは僅かなものであって、平安を得ることが出来ない。論争の結果は称賛と非難との二つだけである、と私は説く。この道理を見ても、あなたたちは、無論争の境地を安穏であると観じて、論争をしてはならない。897 全て凡俗の徒のいだく、これらの世俗的見解に、智者は近づくことがない。彼は、見たり聞いたりした事柄について「これだ」と認め知ることがないから、こだわりがない。彼はそもそもどんなこだわりに赴くのであろうか?8...
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スッタニパータ【第4 八つの詩句の章】15、武器を執ること

935 殺そうと争闘する人々を見よ。武器を執って打とうとしたことから恐怖が生じたのである。わたくしがぞっとしてそれをいとい離れたその衝撃を宣べよう。936 水の少ないところにいる魚のように、人々がふるえているのを見て、また人々が相互に抗争しているのを見て、わたくしに恐怖が起こった。937 世界はどこでも堅実ではない。どの方角でも全て動揺している。わたくしは自分のよるべき住所を求めたのであるが、すでに死や苦しみなどにとりつかれていないところを見つけなかった。938 生きとし生けるものは終極においては道理にたがうのを見て、わたくしは不快になった。また、わたくしはその生ける者どもの心の中に見難き煩悩...