四諦とはブッダの説いた4つの真理「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」のことです。この四諦において、生きていることは「苦」であるという考えを具体的に示し、「苦」からの解放を説いています。「四諦」の「諦」という字の語源は「道理を明らかにする」という意味であって、「真理」や「悟り」を表しています。四聖諦ともいいます。
ブッダの初転法輪(最初の説法)はベナレス(バラナシ)の近郊にある鹿野苑(ろくやおん:サールナート)で五比丘(5人の修行の仲間)に4つの聖なる真実、つまり四諦を説いたと伝えられています。
「苦諦」(くたい)は、苦しみの真理のことで、この世は苦しみであるということ。生・老・病・死の四苦と、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦の四苦を加えた八苦であるという真理を説いたものです。
「集諦」(じったい)は、苦しみの成り立ちの真理のことで、その苦しみの成立する原因は煩悩・妄執であるということを説いたものです。
「滅諦」(めったい)は、苦しみの原因の終滅という真理のことで、無常の世を超え、執着を断つことが苦しみを滅した悟りの境地であるということを説いたものです。
「道諦」(どうたい)は、悟りに導く実践という真理のことで、理想の境地に到達する為には、八正道の正しい修行方法によるべきだということを説いたものです。
・「さとれる者(仏)と真理のことわり(法)と聖者の集い(僧)とに帰依する人は、正しい知慧をもって、四つの尊い真理を見る。すなわち(1)苦しみと、(2)苦しみの成り立ちと、(3)苦しみの超克と、(4)苦しみの終減に赴く八つの尊い道(八聖道)とを見る。」(ダンマパダ 190、191偈)
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