【仏教用語/人物集 索引】

投薬(とうやく)

投稿日:2021年2月13日 更新日:

 
投薬とは、病気や症状に応じて薬を与えることで「患者に投薬する」というような使われ方をします。しかし、その語源が仏教によること、さらにはお釈迦様の涅槃に関することだと知っていますか?今回は、その詳細をまとめていこうと思います。

お釈迦様は最後の旅の途中で病気になり、クシナガラの沙羅双樹の間に横になり、今まさに涅槃に入ろうとしていることをお釈迦様ルンビニで誕生して7日後に亡くなった生母・摩耶夫人天界で知ります。

摩耶夫人は、お釈迦様がもっと長く多くの人にその教えを説いてほしいとの願いから、長寿の薬を与えようと急いでその場所まで行き、お釈迦様が沙羅双樹の間に横になっている枕元を目がけて薬を投げましたが、木に引っかかり届きませんでした。涅槃図で赤い薬袋が描かれているのがこれです。薬の力を得た沙羅双樹は青々と茂ったといいます。

現在、「投薬する」とか「投与する」という医学用語は、この摩耶夫人の我が子の病気をなんとしても治したい、母親の深い慈愛や真心に由来しています。 なお、この場面については、様々な逸話があります。薬は間に合ったが、お釈迦様がそれを拒んだという話や、ねずみが木に引っかかった薬をお釈迦様に届けようとしたら猫に食べられてしまう話など、涅槃図に合わせて話がつくられた部分もあるのでしょう。

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