捷疾鬼とは、足が速く、顔かたちが恐ろしい上に、性質が猛悪なインドの鬼神です。また、夜叉(やしゃ)の異名で使われることもあり、速疾鬼(そくしつき)ともいいます。仏教に取り入れられてからは、仏法を守護する鬼神となりました。
次のような俗説があります。捷疾鬼という足の速いものが猛悪な性質から、お釈迦様の仏舎利(ぶっしゃり)を奪い、須弥山へ逃げてしまいました。足が速いので誰も追いつけなかったのを韋駄天(いだてん)が追いかけると、一瞬の内に仏舎利を取り戻すことができたということです(韋駄天走り)。
(捷疾鬼・涅槃図より・岐阜・少林寺蔵)
<< 戻る