不空羂索観音菩薩は、不空羂索観音、不空羂索観世音菩薩などとも呼ばれ、読み方は「ふくうけんさく」「ふくうけんじゃく」の2通りあります。サンスクリット(梵語)では、アモーガ・パーシャ・アヴァローキテーシュヴァラ・ボーディサットヴァといい、アモーガ「不空」とは文字通り「むなしからず」の意味で、パーシャ「羂索 」とは一切衆生を仏法へと導く象徴とされる縄状の仏具です。「野獣の毛皮をまとうこと」など、シヴァ神と共通する点もあり、インドでヒンドゥーの影響を受けて成立したと考えられています。
人々の苦悩に応じて大慈悲を行ずるところから千変万化の相となる観世音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、姿の特徴としては、頭部正面・宝冠の前面に阿弥陀如来の化仏(けぶつ)を表します。坐像、立像ともにあり、上半身に鹿皮を斜にまとってい、一面三目八臂で、第一手は胸前で合掌し、第三手は両手とも脇下に垂らした与願印を結び、その他の四手には、羂索、蓮華、錫杖、払子などを持物(じもつ)とする姿が多いようです。六観音の1つでも表されています。
(不空羂索観音菩薩 東大寺法華堂、国宝 wikipediaより)
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