転法輪とは、仏(ブッダ)が説法することです。古代インドにおいて輪は統治権の象徴とみなされていましたが、統治の輪を転ずる理想的君主とされた転輪王が全世界を支配するように、仏の説く教えが一切の衆生の間に回転して、迷いを打ち砕くことを表します。
ここでいう輪とは、法輪のことです。また、仏が成道後、はじめて教えを説いた時のことを初転法輪といいます。
・「生きとし生ける者の最上者、最高の人、牡牛のような人、生きとし生けるものの内の最高の人(ブッダ)は、やがて仙人のあつまる所という名の林で法輪を回転するであろう。猛き獅子が百獣に打ち勝って吼えるように。」(スッタニパータ 684偈)
・「転法輪といふは、功夫参学して一生不離叢林なり、長連床上に請益弁道するをいふ。」(「正法眼蔵」転法輪)
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