『正法眼蔵随聞記』22、故鎌倉の右大将

文献

また物語に云く、故鎌倉の右大将、始め兵衛佐にて有りし時、内府の辺に一日はれの会に出仕の時、一人の不当人在りき。

その時、大納言のおほせて云く、「是れを制すべし。」と。
大将の云く、「六波羅におほせらるべし。平家の将軍なり。」
大納言の云く、「近々なれば。」
大将の云く、「その人にあらず。」と。

是れ美言なり。この心にて、後に世をも治めたりしなり。今の学人もその心あるべし。その人にあらずして人を呵する事なかれ。

⇒ 続きを読む ⇒ 目次(はじめに戻る)

※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

『正法眼蔵随聞記』

<< 戻る

タイトルとURLをコピーしました