仏祖になった人の生き方

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スッタニパータ【第3 大いなる章】2、つとめ励むこと

425 ネーランジャラー河の畔にあって、安穏を得るために、つとめ励み専心し、努力して瞑想していたわたくしに、426 悪魔ナムチはいたわりの言葉を発しつつ近づいてきて言った、「あなたは痩せていて顔色も悪い。あなたの死が近づいた。427 あなたが死なないで生きられる見込みは、千に一つの割合だ。君よ、生きよ。生きた方がよい。命があってこそ諸々の善行をも為すこともできるのだ。428 あなたがヴェーダ学生としての清らかな行いをなし、聖火に供物をささげてこそ、多くの功徳を積むことが出来る。苦行につとめ励んだところで、何になろうか。429 つとめ励む道は、行き難く、行い難く、達し難い。」この詩を唱えて、悪魔...
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スッタニパータ【第4 八つの詩句の章】16、サーリプッタ

955 サーリプッタさんが言った、「わたくしは未だ見たこともなく、また誰からも聞いたこともない。このように言葉美わしき師(ブッダ)、衆の主がトゥシタ天から来りたもうたことを。956 眼ある人(ブッダ)は、神々及び世人が見るように、一切の暗黒を除去して、独りで法楽を受けられた。957 こだわりなく、偽りなく、このような範たる人として来りたもうた師・目ざめた人(ブッダ)であるあなたのもとに、これらの束縛ある多くの者どものために問おうとして、ここに参りました。958 修行者は世をいとうて、人のいない座所や樹下や墓地を愛し、山間の洞窟の中におり、959 または種々の座所の内にいるのであるが、そこにはど...
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スッタニパータ【第5 彼岸にいたる道の章】15、学生ポーサーラの質問

1112 ポーサーラさんがたずねた、「過去の事柄を説示し、悩み動揺することなく、疑惑を断ち、一切の事物を究め尽くした師におたずねする為に、ここに来ました。1113 「物質的な形の想いを離れ、身体をすっかり捨て去り、内にも外にも『何ものにも存在しない』と観ずる人の智を、私はおたずねするのです。釈迦族の方よ。そのような人はさらにどのように導かれねばなりませんか?」1114 師(ブッダ)は答えた、「ポーサーラよ。全ての識別作用の住するありさまを知り尽くした全き人(如来)は、彼の存在するありさまを知っている。すなわち、彼は解脱していて、そこを拠り所としていると知る。1115 無所有の成立するもとを知っ...