1619年(元和5年)、江戸幕府が知恩院の三門、経蔵を造営、2年後に竣工しました。
【三門】
1619年(元和5年)、徳川二代将軍秀忠公の命を受け建立されました。平成14年には国宝に指定されました。構造は入母屋造本瓦葺(いりもやづくりほんがわらぶき)で、高さ24メートル、横幅50メートル、屋根瓦約7万枚。その構造・規模において、我が国現存の木造建築として最大級の二重門で、外に掲げられている「華頂山」の額は、大きさは畳二畳以上にもなります。
一般には寺院の門を称して「山門」と書くのに対し、知恩院の門は、「三門」と書きます。これは、「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」という、悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門(三解脱門:さんげだつもん)を意味しています。
上層部(楼上)内部は、仏堂となっており、中央に宝冠釈迦牟尼仏像、脇壇には十六羅漢像(いずれも重要文化財)が安置されているほか、天井や柱、壁などには迦陵頻伽(かりょうびんが)や天女、飛龍が極彩色で描かれていて、荘厳な雰囲気を備えています。
また、七不思議の一つである白木の棺があり、三門造営の命を受けた造営奉行、五味金右衛門(ごみきんえもん)夫妻の木像が安置されています。楼上内部は通常は非公開ですが、特別公開の期間中には七不思議のひとつ白木の棺や、天井から柱まで全体に施された華麗な極彩色の荘厳を目にしていただくことが出来ます。
【経蔵】
御影堂の南東に建っているのは、重要文化財である経蔵です。三門と同じ年に建てられたもので、その建築様式は、唐様と和様を取り入れた、型にはまらない造形美を見せています。
内部は、外側の静かなたたずまいとは対照的に鮮やかな色彩で彩られており、天井や柱、壁面は狩野派の絵画で荘厳されています。また、徳川二代将軍秀忠公の寄附によって納められた宋版大蔵(一切)経約六千帖を安置する八角輪蔵が備えられており、その輪蔵を一回転させれば、大蔵経を読誦するのと同じ功徳を積むことが出来るといわれています。
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