アシタ仙人、阿私陀仙
アシタという仙人(isi)は、スッドーダナ王(浄飯王)の父であるシンハヌ王(師子頬王)の宮廷僧でした。アシタ仙はスッドーダナ王がまだ王位に即いていない時にはその技芸の師となっていましたが、王位に即いた後には宮廷僧となりました。
アシタ(Asita)とは「黒色」という意味で、仏典には同じく黒色の意味である「カンハ(kanha)」に続けて敬称の「シリ(sri)」を合わせた呼称「カンハシリ」とも呼ばれています。「結髪の仙人」と表現されているので、頭髪を束ねて縛っている螺髻(らけい)もしくは螺髪(らほつ)という、ほら貝のような形をした髪形で、当時の行者の姿です。
スッドーダナ王に子どもが産まれると、その姿を見て、いずれはブッダ(真理に目覚めた人)、または転輪王となることを予言されます。その様子は「スッタニパータ【第3 大いなる章】11、ナーラカ」に詳しく書かれています。
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