『盂蘭盆経』(うらぼんきょう)
『盂蘭盆経』は400年代の終わり頃か500年代の初め頃に中国で成立した偽経(インドで成立したお経ではない)だと考えられています。このページに掲載しているものには竺法護(じくほうご)訳と書かれ、そう信じられていますが、竺法護は中国の西晋(せいしん。256年~316年)時代の僧侶なので、現段階で学問上はそこまで時代をさかのぼることはできないということです。それでは、どんな記録が残っているのかというのを次にあげていきます。1269年に南宋の志磐が編纂した『仏祖統紀』では、梁の武帝の大同4年(538年)に同泰寺で盂蘭盆斎を設けたことが伝えられ、梁の武帝と同時代の宗懍が編纂した『荊楚歳時記』には、7月1...