弥勒菩薩は、ブッダの次にブッダとなることが約束された菩薩で、そのことから、弥勒仏、弥勒如来とも呼ばれます。梵名をマイトレーヤ、パーリ名をメッテイヤといい、音写して、弥勒となりました。意味は「慈しみ」(梵: maitrī, 巴: mettā)を語源とするため、慈氏菩薩(慈しみという名の菩薩)とも意訳されます。ブッダの入滅(にゅうめつ)後56億7000万年ののち、仏になると約束された菩薩です。阿逸多菩薩、アジタと記述される場合もあります。
現在は、兜率天(とそつてん)で菩薩として修行・説法してますが、ブッダの入滅後56億7千万年後の未来に至ると、ブッダにかわって衆生を救済する為に、この世に出現するといわれています。
『法華経』に説かれる重要な菩薩で、ブッダの弟子となり、仏教伝道のうえで大きな役割をはたした菩薩ですが、現在、法華経信仰者の間では、末法(まっぽう)における法華経の行者をさしていうことがあります。
日本でも弥勒信仰が早くから行われ、多くの絵画・彫刻をのこしていますが、仏像での姿は、半跏思惟像(はんかしゆいぞう)として、椅坐して左足を下ろし、右足を上げて左膝上に置き、右手で頬杖を付いて瞑想する姿が代表的です。また、立像や坐像として表現され、如来として表現される場合では、三世仏の一つともされています。半跏思惟像は、中宮寺(奈良県)・広隆寺(京都府)のものが有名です。
(弥勒菩薩 木造菩薩半跏像 奈良中宮寺蔵 wikipediaより)
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