世界各地で使われている仏教を象徴する仏旗(ぶっき)には「青、黄、赤、白、橙」が採用されています。もちろん日本でも使われていますが、日本では暗いイメージが先行する場合があり、仏教と関わるのも初詣や法事やお葬式だけということも多く、黒というイメージも強いかもしれません。
ただ、そのイメージというのは仏教の諸行無常という言葉が表すとおり、変化するものです。古来、黒色は高貴な色とされていたようですが、西洋文化の流入で黒白になったと思います。本来は、弔事・慶事に関係なく使用され、皇室では慶事にも使用されています。
「黒→死」というイメージは西洋文化で、日本にも仏教にもなかったイメージです。日本では弔事には白を使うことが一般的であったようです。また、白装束もそうですし、喪服の色は白であったのが、西洋文化の流入で今では黒一色ですね。「お坊さんは黒衣じゃないか」という人がいるかもしれませんが、あれは「染まらない色」という意味での「黒」であり、死を表すものではありません。ちなみに仏教発祥地インドでは今でも白装束で死者を送ります。