平安時代初期から前期にかけての貴族・歌人。平城天皇の孫。贈一品・阿保親王の五男。官位は従四位上・蔵人頭・右近衛権中将。 六歌仙・三十六歌仙の一人。別称の在五中将は在原氏の五男であったことによる。 全百二十五段からなる『伊勢物語』は、在原業平の物語であると古くからみなされてきた。
ちはやぶる 神世もき聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは — 『古今和歌集』『小倉百人一首』撰歌。落語「千早振る」も参照。
世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし — 『古今和歌集』撰歌。
忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや 雪踏みわけて 君を見むとは — 『古今和歌集』巻十八、雑歌下。
から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ — 『古今和歌集』撰歌。
名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 我が思ふ人は ありやなしやと — 『古今和歌集』撰歌。
月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして —『古今和歌集』巻十五、恋歌五。
人知れぬ 我が通ひ路の 関守は 宵々ごとに うちも寝ななむ —『古今和歌集』巻一三、六三二。また、『伊勢物語』五段。
生誕 天長2年(825年)
命日 元慶4年5月28日(880年7月9日)
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