螺髪とは、パンチパーマのように丸まった仏像の髪の毛の名称です。仏の身体的特徴としてまとめられている三十二相のひとつで、毛上向相(もうじょうこうそう)という、身体の毛が上向きに生え右旋していて、紺青色を呈し柔軟であるという特徴を表しています。仏像がつくられる時には、巻き貝のような粒で表され、螺旋状(らせんじょう)の筋がつくことから螺髪といいます。また、彩色を施す場合には、青色を表現する為に群青色にされることが多いです。
ただし、螺髪が歴史上のブッダの個人的特徴を表現したものという説はよく否定されます。螺髪の仏像が最も早く確認されているのは現在のところデリーの南々東150キロに位置するマトゥラー仏で、紀元後2世紀頃に螺髪・螺髻(らけい)・僧頭の三形式で表現されています。
平安時代の「東大寺要録」に「螺髪を966個つくった」という内容が記載されている東大寺大仏は江戸時代に造り直されたこともあり、現在の螺髪の数は492個です。その螺髪1個は直径約22センチ、高さ21センチ、重さ1・2キロほどで、当初のものより直径が大きいということです。
よく比べられる飛鳥大仏と鎌倉大仏の螺髪も、近年は正式に数えられたことはないようですが、飛鳥大仏は700個、鎌倉大仏は657個というのが定説となっているようです。大仏の螺髪の個数は定まってはいないようです。
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