仏教と日本人の死生観をまとめている時のことです。本を読んだり、ネットで検索して様々な死生観を学びましたが、気になること難くさんありました。まず「死生観」とは何かを定義せずに、「死」が出てくる言葉があれば「死生観」なのか、「生き方」が「死生観」なのか、講座で大勢の人と一緒に考えていく上で、比較できる内容に単純化するのが難しかったです。
また、ある「死生観」を書いているものの中に、自分の主張が正しいと言うために、都合の良い言葉をつなぎ合わせてあるものもありました。
例えば、キリスト教の死生観が正しいという主張をする人の内容で、『仏教では「他力本願」と「自力本願」があり、これは矛盾する』というもの。これはそもそも浄土系の中で「他力本願」という言葉があり、その正しさを主張する為に「自力本願」という仮の言葉が浄土系の中でできました。矛盾して当然です。
もし、正しく比較するなら、「浄土系の死生観」と「その他の仏教が主張する死生観」を比較しなければなりません。
このことからも、何を基準に物事を見るか・判断するかは大切だなと思います。都合の良い比較材料があっても、偏った比較材料でないかどうか、自分の判断は偏っていないかどうか、そういったことを判断しながら、誰かに見せる内容であれば、誰が見ても納得できる内容にしたいと思いました。