どんな人でも幼児から成長し大人になります。その過程は千差万別であっても、誰もが次第に老化し、子どもや周りの世話を受けなければならなくなります。それは自然の摂理とも言えることです。
『大智度論(だいちどろん)』にはこのようにあります。
「女人の礼は、幼は即ち父母に従い、わかくしては即ち夫に従い、老いては子に従う」
例えとして女性の生き方が示されているわけですが、男性も同じことです。“老いては子に従え”という言葉はここからきています。また、これは諸行無常(しょぎょうむじょう)につながります。ここでは“無常”つまり“常で無い”ということで“老いて子に従う”のであり、それが“無情だ”と勘違いする人がいます。言葉の意味を理解しなければ、間違った解釈につながるので注意が必要です。