2025-12-14

仏教を学ぶ

苦(く)

仏教で言うところの「苦」は、思い通りにならないということです。現世では生・老・病・死の四苦と、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦の四苦を加えた八苦であるという真理を説いたものです。「一切皆苦」「四苦八苦」「苦集滅道」という言葉にも「苦」が入っていますが、同じ意味で使われています。この「苦」は他の仏教経典と同じく中国において「苦」と漢訳されたわけですが、もともとのインドではパーリ語でドゥッカ(dukkha)、サンスクリット語でドゥフカ(duḥkha)という言葉でした。思い通りにならない、空しい、不満、不安定、苦しい、という意味がありました。現代よく使う”苦”は、何かを食べて苦いとか、堪え難い...