極楽浄土とは、阿弥陀如来が住む西方十万憶仏国土をすぎたところにあると言われる、苦しみのない安楽な世界です。梵語でスカーヴァティーといい「幸福のあるところ」「幸福にみちているところ」の意味があります。須呵摩提(しゅかまだい)、蘇珂嚩帝(そかばってい)、須摩提(しゅまだい)、須摩題などと音訳され、安楽、極楽、妙楽などと意訳されました。
浄土とは、一切の煩悩やけがれを離れ、五濁や地獄・餓鬼・畜生の三悪趣が無く、仏や菩薩が住む清浄な国土のことで、大乗仏教の世界観を表現する言葉として使われていますが、平安後期以降に浄土教が広まると、浄土と言えは阿弥陀如来の西方極楽浄土をさすことが多くなったようです。また、極楽のことは「浄土三部経」に多くが書かれており、特に『仏説阿弥陀経』には極楽の様子が詳しく説かれています。
掲載画像は阿弥陀如来が住む西方極楽浄土の様子を阿弥陀如来と観音菩薩、勢至菩薩の三尊を中心に、諸聖衆三十四尊や蓮池、楼閣といった極楽浄土の様子が大きく描かれています。
(絹本著色浄土曼荼羅図・鎌倉時代・14世紀)
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